なぜかパリの空の下

国際関係の修士を取ろうと思い立ち、気が付いたらパリにいました。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

フランスと人種差別(1)- 「人種」というものはない

「人種」(race)というものはないんだそうです。 人間が作り上げた概念であり、生物学的に根拠のあるものではない、という意味においてなのですが、こちら(西欧のみ?フランスだけ?エリート層に限る?)では言葉自体がもはや「悪の権化」のように扱われて…

植民地支配は「人道に対する罪」か

スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』を観に行ってきました。 物足りなかった、というのが感想で、遠藤周作の原作に忠実であろうとするあまり、原作の深みが描き切れていないように感じました。 もしくはアメリカ人のスコセッシには理解しきれない部分があ…

遠藤周作「沈黙」- 弱き者はどう生きていけばいいのか

スコセッシ監督の新作を観る前に、遠藤周作の原作を読みました。 ぜひたくさんの人に読んでほしい。 50年前の作品ですが、投げかけられた問いは本質的で、故に非常に現代的です。 織り込まれたいくつものテーマの中でも「弱き者はどう生きればいいのか」とい…