なぜかパリの空の下

国際関係の修士を取ろうと思い立ち、気が付いたらパリにいました。

2017-01-01から1年間の記事一覧

価値観の違い

5月中旬に授業が終わり、ながいながい夏休みに入っています。 修士1年目を終えたわけですが、クラスメートたちが、あっという間だった!という中で、わたしにとっては10年くらいの月日が経ったような、そんな感覚すらあります。 ああ、長かった。 というのも…

フランスと人種差別(1)- 「人種」というものはない

「人種」(race)というものはないんだそうです。 人間が作り上げた概念であり、生物学的に根拠のあるものではない、という意味においてなのですが、こちら(西欧のみ?フランスだけ?エリート層に限る?)では言葉自体がもはや「悪の権化」のように扱われて…

植民地支配は「人道に対する罪」か

スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』を観に行ってきました。 物足りなかった、というのが感想で、遠藤周作の原作に忠実であろうとするあまり、原作の深みが描き切れていないように感じました。 もしくはアメリカ人のスコセッシには理解しきれない部分があ…

遠藤周作「沈黙」- 弱き者はどう生きていけばいいのか

スコセッシ監督の新作を観る前に、遠藤周作の原作を読みました。 ぜひたくさんの人に読んでほしい。 50年前の作品ですが、投げかけられた問いは本質的で、故に非常に現代的です。 織り込まれたいくつものテーマの中でも「弱き者はどう生きればいいのか」とい…

フランス的な習いごと、ってなんだろう。

パリに来てもうすぐ半年。目下の目標は、同年代の友人をつくることです。 勉強しにきたんじゃないのかよ、と自らにツッコミつつも、 働く同年代のパリジェンヌたちが何を考えて、何に悩み生きているのか、知りたい。退職をして日本の外に出たことで、自ら日…

移民の歴史、歴史は繰り返す。

先日我が家(屋根裏部屋)についてのブログを書いていた際、ふと、移民の歴史について知りたくなり、思い立ったが吉日、12区にあるその名も、移民歴史館、に行ってきました。 hitomi-at-paris.hatenablog.com MUSÉE DE L'HISTOIRE DE L'IMMIGRATION http://w…

パリのオープンカフェ。テラス席に逆風? 規制強化と増税。

パリといえば、歩道にはみだしたカフェでパリジェンヌたちがおしゃべりをしている、そんなにぎやかなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。 実際にパリにきてみても、やはりカフェのある街並みはにぎやかで華やか。 加えて、パリ市民のテラス…

屋根裏部屋ぐらし。パリの歴史を暮らす

Chambre de bonneといういわゆる屋根裏部屋に住んでいます。 これがなかなかに悪名高く、狭い・時にはエレベーターなし・水回りが貧弱、という三拍子そろって、学生の中でも敬遠されがち。 我が家も例外でなく、11㎡・7階(日本式8階)エレベーター無し・洗…

「祖国」の味。パリのセルビア人街。

人生で初めて セルビア料理を食べました。 肉々しくて、でも奥深い味わいもちゃんとあって、おいしかった。 連れていってくれたセルビア人クラスメート曰く、 彼らのアイデンティティは「西(ヨーロッパ)でもなく、東(トルコ・イスラム)でもない、その中…

バゲットを小脇に抱えて

なんてことは絶対にするもんか、と思っていました。 皆がやっていることは、やらない。ミーハーなことからは1歩どころか10歩距離を置く、ことをモットーとしているあまのじゃく人間としては、そんなパリジェンヌを気取るなんてことは断固としてするまい、米…

一学期目を終えて。価値観をこねなおす

今は長―い冬休みの真っ只中です。 奨学金をもらっていない身としては、学費を返せ!と叫びたくなる学期の短さとお休みの長さですね。 とはいえ、一学期目を終えた感覚としては、短くはなかったな(どっちじゃい)と。というのも、人との出会いも含め、多くの…