なぜかパリの空の下

国際関係の修士を取ろうと思い立ち、気が付いたらパリにいました。

パリからみたフランス

物乞いの兄弟

―幼い兄弟が物乞いをしている。兄は信号待ちの車の窓を叩き、弟は道行く人たちに手を伸ばす― 子どもの頃、そんな物乞いをする子どもの写真を社会科かなにかの教科書でみた記憶があります。確か東南アジアのどこかの写真だったかと。ストリートチルドレンとい…

フランスと人種差別(1)- 「人種」というものはない

「人種」(race)というものはないんだそうです。 人間が作り上げた概念であり、生物学的に根拠のあるものではない、という意味においてなのですが、こちら(西欧のみ?フランスだけ?エリート層に限る?)では言葉自体がもはや「悪の権化」のように扱われて…

植民地支配は「人道に対する罪」か

スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』を観に行ってきました。 物足りなかった、というのが感想で、遠藤周作の原作に忠実であろうとするあまり、原作の深みが描き切れていないように感じました。 もしくはアメリカ人のスコセッシには理解しきれない部分があ…

フランス的な習いごと、ってなんだろう。

パリに来てもうすぐ半年。目下の目標は、同年代の友人をつくることです。 勉強しにきたんじゃないのかよ、と自らにツッコミつつも、 働く同年代のパリジェンヌたちが何を考えて、何に悩み生きているのか、知りたい。退職をして日本の外に出たことで、自ら日…

移民の歴史、歴史は繰り返す。

先日我が家(屋根裏部屋)についてのブログを書いていた際、ふと、移民の歴史について知りたくなり、思い立ったが吉日、12区にあるその名も、移民歴史館、に行ってきました。 hitomi-at-paris.hatenablog.com MUSÉE DE L'HISTOIRE DE L'IMMIGRATION http://w…

パリのオープンカフェ。テラス席に逆風? 規制強化と増税。

パリといえば、歩道にはみだしたカフェでパリジェンヌたちがおしゃべりをしている、そんなにぎやかなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。 実際にパリにきてみても、やはりカフェのある街並みはにぎやかで華やか。 加えて、パリ市民のテラス…

屋根裏部屋ぐらし。パリの歴史を暮らす

Chambre de bonneといういわゆる屋根裏部屋に住んでいます。 これがなかなかに悪名高く、狭い・時にはエレベーターなし・水回りが貧弱、という三拍子そろって、学生の中でも敬遠されがち。 我が家も例外でなく、11㎡・7階(日本式8階)エレベーター無し・洗…

「祖国」の味。パリのセルビア人街。

人生で初めて セルビア料理を食べました。 肉々しくて、でも奥深い味わいもちゃんとあって、おいしかった。 連れていってくれたセルビア人クラスメート曰く、 彼らのアイデンティティは「西(ヨーロッパ)でもなく、東(トルコ・イスラム)でもない、その中…