なぜかパリの空の下

国際関係の修士を取ろうと思い立ち、気が付いたらパリにいました。

バゲットを小脇に抱えて

なんてことは絶対にするもんか、と思っていました。

皆がやっていることは、やらない。ミーハーなことからは1歩どころか10歩距離を置く、ことをモットーとしているあまのじゃく人間としては、そんなパリジェンヌを気取るなんてことは断固としてするまい、米を食べるんだ、しかも、バゲット持って歩くなんて、サトウのごはんを脇に抱えて歩いているのと同じじゃないか、おしゃれでもなんでもないじゃないか、と。

 

が、

 

4カ月のパリ生活を経て、

バゲットはコストパフォーマンスが良い、

という結論に至りました。

 

野菜は安い、調味料も安い。

でも、時々頻繁に、料理をしたくない時もある。

 

じゃあ、外食をしようと思うと、ランチですら最低1000円は覚悟しなくてはいけない。もちろん日本のオフィス街だって同じようなものだけど、選択肢としてワンコインランチは存在する。が、こちらにはない。

 

(ということで人々はどうしているかというと、お昼だと、学生は学食のサンドイッチを食べるか、林檎を齧るか、パスタをお弁当にして持ってくるか、ということをしています。会社員は福利厚生の一環として会社からランチ補助券が出るので、それで外食をしているようです。)

 

そこででてくるのがバゲット。そのまま食べられるので楽だし、何より安い。

 

だいたい1ユーロ前後で、そしてどれもこれも基本的に美味しい。個人的にはスーパーで売っている0.8ユーロのバゲットもいけてる。腹持ちはあまりしないけれど、食べた感はとてもあるので、一緒に生ハムを買って食べれば充分だったり。

 

パリの留学生はバゲット齧ってる、と聞いたときは嘘だ!と思ったけれど、あながち間違っていないなあと思います。

 

ということで、小脇にバゲット挟んでいます。

 

そして、不思議なことに、どんなに授業で悔しい思いをしても、テストの点数が低くても、エッフェル塔を横目にバゲットを持って歩いていると、ああ、なんか素敵だなって自己評価も上がったりしちゃって。

 

ミーハーも悪くない、そんなことを思う今日この頃です。